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📘 LIXEL L2 Pro における PPK-SLAM データ取得および処理ガイド

更新日:2025年6月30日

ガイドの目的

このガイドでは、LIXEL L2 Pro を用いた PPK-SLAM の運用方法を解説します。PPK(事後補正)方式を用いることで、通信圏外やRTKが不安定な現場でも、数cm精度の点群生成が可能です。

📦使用機材一覧

機材用途備考・例
LIXEL L2 ProSLAM記録装置PPK対応ファーム必要
GNSSベースステーション位置ログ記録Reach RS2 / RS+ / Trimble など
GNSSアンテナログ精度確保デュアル周波対応推奨
GNSSコントローラー静止ログ開始・制御アンテナ高の入力が必要
三脚・ピンGNSSアンテナの安定設置既知点設置を推奨
Windows PC点群処理Lixel Studio 3.3.1.1 必須

🛰GNSSベースステーションの設置手順

  1. 現場から半径5km以内、かつ空が開けた場所を選定
  2. 可能であれば既知座標点(GCP)に設置
  3. 三脚で垂直に安定設置し、アンテナ高を正確に記録
  4. GNSS受信機を「静止(STATIC)」モードに設定
  5. ログ設定:1Hz、RINEX 3.0以上対応
  6. スキャン開始5分前にはログ記録を開始

🤖LIXEL L2 Pro の準備とPPKモード設定

  1. 屋外で電源ON → LIXEL Go アプリで接続
  2. 「XGRIDS PPK モード」を選択(自動で再起動)
  3. 再接続後、「スキャン開始」
  4. 青LEDランプが点灯していることを確認(GNSS動作中)
  5. 予定ルートに沿って歩行・車両などでスキャン

📴スキャン終了とログ保存

  1. スキャン完了後、L2 Pro の電源を先にOFF
  2. GNSSベース局はさらに5分以上ログを続けてからシャットダウン
  3. RINEXログとL2 ProデータをPCに転送

💻Lixel Studio によるPPK処理(ver. 3.3.1.1〜)

  1. Lixel Studioを起動し「プロジェクト処理」を選択
  2. L2 Proデータをインポート
  3. RINEXログ(.obs, .nav など)を指定
  4. 自動的に同期処理が始まり、補正SLAMが生成される
  5. 点群データをLAS, PLY, PCDなどでエクスポート可能

💡用語解説

用語意味
PPK(Post-Processed Kinematic)GNSSログを事後的に処理して精度補正する方式。RTKと異なり通信不要。
SLAM自己位置を推定しながら同時にマップを作成する手法。GNSSが遮られる環境でも有効。
RINEXGNSSログの標準交換フォーマット。複数メーカー間での互換性あり。
GCP(Ground Control Point)精度検証・補正のための地上基準点。なくても処理可能だが、あると信頼性UP。

成功させるポイント

  • GNSSログは スキャン開始5分前/終了5分後 を確実に記録
  • アンテナ高(機械高+測量ポール)を正確にメモ
  • GNSSとSLAMの時計を正しく同期させる
  • L2 Proは必ず最新ファームに更新

🧠よくある質問(FAQ)

質問回答
GNSS機器は何が使える?Reach RS2 / RS+ / Trimble R12 など、RINEX出力対応の測量機器すべて。
Lixel Studioだけで完結する?可能です。3.3.1.1以降でPPK処理が統合されました。
GCPは不要?任意です。相対精度で十分な用途では不要ですが、絶対精度が求められる場合は併用推奨。

これで、LIXEL L2 Pro における PPK-SLAM 運用の基本が完了です。次のステップでは、RTKとの比較や誤差評価、活用事例などの応用編を参考にしてください。